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春の“なんとなく不調”と、めぐりの話 ― 海の循環と、わたしたちの血流 ―

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春の“なんとなく不調”と、めぐりの話 ― 海の循環と、わたしたちの血流 ―

2026/02/19

二月。まだ寒さは残るものの、日差しに少しやわらかさを感じる頃です。

この時期、「なんとなく調子が出ない」と感じることはありませんか。朝が重い、頭がすっきりしない、気分が落ち着かない。病院に行くほどではないけれど、どこか整わない――そんな“ゆらぎ(季節性不調)”を覚えやすい季節です。

寒暖差でバテるふーちゃん

冬から春へ移るあいだ、気温は大きく上下します。体はその変化に合わせて血管を縮めたり広げたりしながら、体温を保とうとしています。つまり春先は、体の中の「めぐり(血液循環や代謝)」がいつも以上に働いている時期でもあるのです。

この記事でわかること

  • 春先に“なんとなく不調”を感じやすい理由(寒暖差とめぐりの関係)
  • 体の「めぐり」と細胞の基礎を支える「リン脂質」の役割
  • 南極の動物プランクトン・オキアミ(南極オキアミ)が研究対象として注目されている背景

めぐりって、なんだろう

血流は、体の中を流れる一本の川のようなものです。

酸素や栄養を運び、不要なものを回収する。流れが穏やかなときもあれば、滞りやすいときもある。春は寒暖差で血管が縮んだり広がったりを繰り返します。その小さな変化の積み重ねが、「なんとなく不調」として感じられるのかもしれません。

けれど、流れているのは血液だけではありません。その通り道(血管壁や神経系)をつくっているのは、最小単位である「細胞」です。

細胞を包んでいるもの

私たちの体は、約37兆個の細胞でできていると言われます。その一つひとつを包んでいるのが「細胞膜」であり、その主な材料(構成成分)がリン脂質です。

リン脂質は、以下のような重要な役割を担っています。

  • 細胞の内と外を分ける(必要な栄養を取り込み、老廃物を出す)
  • 情報をやり取りする(神経伝達物質やホルモンの働きを支える)
  • 柔軟性を保つ(血管や細胞のしなやかさ・弾力に関わる)
  • バリアを守る(外部の刺激や酸化から細胞内部を守る)

つまり、「めぐり」を考えることは、血液という液体だけの問題ではなく、細胞という生命の土台の話でもあるのです。

細胞膜の構造図。リン脂質が二層に並び、細胞の内外を仕切りながら柔軟性を保つ様子

研究の対象になっている素材

ここで、科学の視点から一つの素材に触れてみます。

南極の冷たい海に生息する小さな動物プランクトン、南極オキアミ(Euphausia superba)。このオキアミから抽出される油(クリルオイル)に含まれる「リン脂質結合型のオメガ3脂肪酸」が、近年、健康維持の観点から多くの研究対象になっています。

例えば、脳の血管障害モデルマウスを用いた動物研究では、血流や行動指標に肯定的な変化が見られたと報告されています。

また、血栓(血液の塊)が形成される仕組みに影響を与える可能性も示唆されており、循環器系の健康サポートに関する検証が進んでいます。

さらに、複数の臨床試験を統合して解析したデータ(メタ分析)では、中性脂肪や総コレステロール値の改善に一定の傾向が見られたとする報告もあります。一方で、血圧や血糖値などについては、まだ明確な差が出ていない項目もあり、世界中で研究が継続されています。

※本記事では最新の研究動向を紹介しています。成分の摂取により、すべての人に同様の結果が出ることを保証するものではありません。

全身に広がる毛細血管のネットワークとスムーズな血流のイメージ

海もまた、めぐっている

南極の海では、氷の下で植物プランクトンが太陽の光を受けて育ちます。その植物プランクトンを主食とするのが、動物プランクトンであるオキアミです。そしてこのオキアミを、魚やペンギン、アザラシ、巨大なクジラたちが糧にします。

南極オキアミは体長数センチの小さな存在ですが、南極の生態系(食物連鎖)を支える“要(キーストーン種)”ともいえる存在です。もしオキアミがいなくなれば、海の大きな生きものたちは生きていくことができません。

小さな動物プランクトンが、大きな命を支えている。その構図は、私たちの体の中にも似ています。細胞という目に見えないほど小さな単位が健やかであることが、血流という大きな流れをつくり、私たちの生命活動を支えています。

南極の海でクジラやペンギン、魚たちがオキアミを介してつながる食物連鎖のイメージ

食べたものは、めぐる

海の植物プランクトンから、動物プランクトンであるオキアミへ。オキアミから魚へ。そして魚を介して、私たちへ。

食べものは、単なるエネルギー源ではありません。消化・吸収され、血液の成分になり、細胞膜の材料になり、私たちの体そのものを形づくります。人間もまた、地球という大きな生態系の循環の一部なのです。

春は、新しいことが始まる季節。同時に、日々の食事を通じて「自分の体をどうケアしていくか」を改めて考える季節でもあります。

遠い南極の海で生きる小さな命。その存在が、私たちの体の基礎である「細胞」を支える脂質の研究として注目されていること。

小さな存在が、大きな循環を支える。

この連載では、海の循環と、私たちの体の循環をたどりながら、「食べたものが体をつくる」という当たり前の事実を、もう一度ていねいに見つめ直していきます。

次回は、オキアミがどのように南極の厳しい環境に適応し、海の生態系を守っているのか、その驚くべき生命力について詳しくお伝えします。


参考リンク(外部サイト)

よくある質問(FAQ)

Q: 春先に体調を崩しやすいのはなぜですか?
A: 春先は寒暖差が激しく、体温調節のために血管の収縮・拡張が頻繁に行われます。このプロセスが自律神経や血液の流れ(めぐり)に負担をかけ、不調を感じやすくなると考えられています。
Q: 細胞膜とリン脂質の関係は何ですか?
A: 私たちの体を構成する細胞の膜は、主にリン脂質という脂質でできています。リン脂質は細胞の柔軟性や情報のやり取り、バリア機能を担う重要な成分です。
Q: 南極オキアミのオメガ3が注目されている理由は?
A: オキアミのオメガ3脂肪酸は、細胞膜と同じ「リン脂質」と結合しているのが特徴です。そのため、体への親和性が高く、循環器系や健康維持に関する研究が世界中で進められています。