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肌のうるおいは水分だけ?肌バリアを支える脂質とクリルオイル研究

2026/06/23

梅雨から夏にかけての「隠れ乾燥」と、肌バリアを支える「肌の質」の秘密

六月に入り、湿度の高い日が増えてきました。

空気がしっとりしているはずなのに、「洗顔後に肌がつっぱる」「冷房の部屋にいると乾燥する」「汗をかいた後に肌がかゆくなる」と感じることはないでしょうか。

梅雨から夏にかけては、汗をかく機会が増える一方、室内では冷房を使い始めます。紫外線も強くなり、汗やべたつきを落とそうとして、洗顔やシャワーの回数が増えることもあります。

肌の表面が汗や皮脂でべたついていても、肌の内側まで十分にうるおっているとは限りません。

今回は、肌のうるおいを守る「バリア機能」と脂質の関係、そしてオメガ3やクリルオイルと肌について行われている研究を見ていきます。

今回のポイント

梅雨でも肌は乾燥することがあります。

湿度が高くても、汗、摩擦、洗いすぎ、冷房、紫外線などが重なると、肌のバリア機能に負担がかかるためです。 肌のうるおいを守るには、水分を補うだけでなく、水分を逃がさない脂質も大切です。

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梅雨でも肌が乾燥する理由や、肌バリアを支える脂質、オメガ3とクリルオイルの研究について、約5~6分で分かりやすく解説しています。

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梅雨なのに肌が乾く?初夏の肌を取り巻く環境

梅雨は湿度が高いため、「冬ほど保湿しなくても大丈夫」と思いがちです。

しかし、空気中の湿度が高いことと、肌のバリア機能が十分に保たれていることは同じではありません。

汗をかいたままにしたり、タオルで何度も強くこすったりすると、肌への刺激になることがあります。また、べたつきを落とそうとして、洗浄力の強い洗顔料を使ったり、何度も洗ったりすると、肌に必要な皮脂まで落としてしまうことがあります。

室内では冷房の風を受ける時間が長くなり、屋外では紫外線を浴びる機会も増えます。

初夏の肌に重なりやすいもの

  • 汗や皮脂によるべたつき
  • 汗を拭くときの摩擦
  • 洗顔やシャワーによる洗いすぎ
  • 冷房による室内の乾燥
  • 紫外線による肌への負担

このように初夏の肌は、湿気だけではなく、汗、摩擦、洗浄、冷房、紫外線といった複数の環境変化にさらされています。

「肌がべたついているから、乾燥していない」とは限らないのです。

肌のうるおいは「水分」だけでは守れない

肌の一番外側には、「角層」と呼ばれる薄い層があります。

角層は、外からの刺激が体内に入り込むのを防ぐとともに、肌の内側にある水分が必要以上に逃げないようにする役割を担っています。

この角層の構造は、よく「レンガとモルタル」に例えられます。

角層細胞の隙間を細胞間脂質が埋め、肌の水分蒸散を防ぐ仕組みの図解

肌のうるおいを守る三つの仕組み

角層細胞

レンガのように並び、肌の一番外側を形づくります。

細胞間脂質

細胞同士の隙間を埋め、水分が逃げにくい状態を支えます。

皮脂膜

肌表面を薄く覆い、過剰な水分蒸散を抑える働きをします。

角層細胞の隙間を埋めているのが、セラミド、コレステロール、脂肪酸などからなる細胞間脂質です。 さらに肌の表面は、皮脂や汗などからつくられる薄い膜に覆われています。

つまり、肌のうるおいは、水分を与えるだけで保たれているわけではありません。

水分を抱え込む仕組みと、水分を逃がさないための脂質。 その両方がそろうことで、肌のバリア機能が支えられています。

肌にとって、脂質は一律に避けるものではありません

「脂」という言葉には、健康のために控えた方がよいもの、という印象があるかもしれません。 もちろん、脂質の摂りすぎや、特定の食品に偏った食生活には注意が必要です。

一方で、脂質は体にとって欠かせない材料でもあります。エネルギー源になるだけでなく、細胞を包む細胞膜や、肌のバリアを構成する成分にも脂質が使われています。

大切なのは、脂質を一律に避けることではなく、毎日の食事の中で「どのような脂質を、どのようなバランスで摂っているか」を見ることです。

「脂の量」だけでなく「脂の質」へ

前回の記事では、コレステロールや中性脂肪を考える際にも、脂を単に減らすだけでなく、魚などに含まれるオメガ3を含めて「脂の質」を見直す視点をご紹介しました。

この「脂の質」という考え方は、血液やコレステロールだけの話ではありません。 細胞や肌の健康を考えるときにも、脂質は体を構成する大切な材料の一つです。

コレステロールと脂の質、オメガ3について詳しく見る

外側から守り、内側から材料を届ける

肌の乾燥やつっぱりが気になるとき、まず大切なのは外側からのケアです。

洗いすぎを避け、洗顔や入浴後には保湿剤を使い、紫外線から肌を守る。汗をかいたときは、タオルで強くこすらず、やさしく押さえるように拭き取ります。

そのうえで、食事、睡眠、水分補給など、体の内側にも目を向けます。

外側から守る

  • やさしく洗う
  • 洗顔や入浴後に保湿する
  • 紫外線対策を行う
  • 摩擦や刺激を減らす
  • 冷房の風を直接受け続けない

内側から支える

  • 主食・主菜・副菜を組み合わせる
  • 魚、肉、卵、大豆製品などを偏りなく摂る
  • 十分な水分を補給する
  • 睡眠と生活リズムを整える
  • 不足しやすい栄養を見直す

化粧品を塗ることと、食べたものから体の材料をつくることは、どちらか一方だけを選ぶものではありません。 外側から肌を守りながら、内側から体の材料を届ける。 この両方を無理なく続けることが、毎日の肌を整える基本になります。

オメガ3を含む「クリルオイル」とは?

クリルオイルの基礎

南極オキアミから得られる海洋由来の油

クリルオイルは、南極海などに生息する小さな動物プランクトン「オキアミ」から得られる油です。 EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を含み、その一部がリン脂質と結びついた形で含まれていることが特徴の一つです。

また、オキアミの赤い色のもととなる色素成分、アスタキサンチンも含まれています。

南極オキアミ由来のクリルオイルに含まれるEPA・DHA、リン脂質、アスタキサンチンの図解

これまでの連載では、南極オキアミが海の食物連鎖を支えていることや、クリルオイルに含まれるオメガ3と脂の質についてお伝えしてきました。

近年は、血中脂質などの分野だけでなく、クリルオイルの摂取と肌の状態との関係を調べる研究も行われています。

オキアミとクリルオイルの関係

「クリル」は、英語でオキアミを意味する言葉です。オキアミの生態や海の食物連鎖については、過去の記事で詳しく紹介しています。

オキアミとは?海の栄養と食物連鎖について見る

クリルオイルと肌について調べた研究

クリルオイルと肌の状態との関係を調べた研究も報告されています。

研究紹介

12週間の摂取と肌の変化を比較

2024年に報告された研究では、健康な成人101人が、クリルオイルまたは比較用のカプセルを12週間摂取しました。

その結果、クリルオイルを摂取したグループでは、比較用カプセルのグループと比べて、肌から逃げる水分量、肌の水分量、弾力などの測定値に違いが見られたと報告されています。

肌から逃げる水分量とは?

肌の内側の水分が、表面からどの程度外へ逃げているかを示すものです。肌のバリア状態を見る指標の一つとして使われます。

研究結果について

今回の報告は、クリルオイルと肌の関係を考えるうえで興味深い研究の一つです。

ただし、比較的小規模な研究であり、特定の原料と条件による結果です。すべての人や市販製品に同じ結果が当てはまるわけではなく、肌への働きを断定するものではありません。

肌の状態は、食事だけでなく、保湿、紫外線、睡眠、年齢など、さまざまな要因に左右されます。今回の研究は、脂質と肌の関係について研究が進められている一例として捉えるのが適切です。

初夏の肌を守るために、今日からできること

肌の状態は、一つの食品や成分だけで決まるものではありません。 まずは、毎日の生活の中で取り入れやすい基本から見直してみましょう。

1

汗はこすらず押さえる

清潔なタオルやハンカチを使い、肌を強くこすらないようにします。

2

洗いすぎを避ける

熱いお湯や洗浄力の強い製品、必要以上の洗顔を避けます。

3

洗った後は保湿する

洗顔や入浴の後は、肌が乾ききる前に保湿剤を使います。

4

冷房の風を避ける

風が顔や体に直接当たり続けないよう、座る位置や風向きを調整します。

5

紫外線から守る

曇りや雨の日も、外出時間や場面に応じて紫外線対策を行います。

6

食事を偏らせない

魚、肉、卵、大豆製品、野菜などを組み合わせ、食事全体を整えます。

赤み、かゆみ、痛みなどが続く場合は

セルフケアだけで様子を見続けず、皮膚科などの医療機関へ相談してください。急に症状が強くなった場合や、範囲が広がっている場合も同様です。

サプリメントは、食生活や日々のケアをすべて置き換えるものではありません。

魚を食べる機会が少ないなど、日々の食事だけでは補いにくい部分がある場合に、生活全体を見直したうえで補助的な選択肢として考えるものです。

肌バリアとクリルオイルのよくある質問

初夏の肌や脂質、クリルオイルについて、よくある疑問をまとめました。

梅雨は湿度が高いのに、肌が乾燥することはありますか?

あります。肌の表面が汗や皮脂でべたついていても、肌の内側まで十分にうるおっているとは限りません。汗を拭くときの摩擦、洗いすぎ、冷房、紫外線などが重なると、乾燥やつっぱりを感じることがあります。

肌のうるおいに脂質が必要なのはなぜですか?

角層細胞の隙間を埋める細胞間脂質や、肌表面の皮脂膜には、肌の水分が外へ逃げすぎないようにする役割があります。肌のうるおいには、水分を抱える仕組みと、水分を逃がさない脂質の両方が大切です。

肌がべたつくときにも保湿は必要ですか?

べたつきと肌の水分量は同じではありません。洗いすぎを避け、洗顔や入浴後には、肌の状態に合った保湿剤を使用することが基本です。赤みやかゆみがある場合は、自己判断でケアを続けず医療機関へ相談してください。

クリルオイルにはどのような成分が含まれていますか?

クリルオイルは南極オキアミなどから得られる油で、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸、リン脂質、アスタキサンチンなどを含みます。含有量や成分構成は、原料や製品によって異なります。

クリルオイルを摂れば、肌がうるおいますか?

クリルオイルの摂取と肌の状態との関係を調べた研究はありますが、比較的小規模で、特定の原料と条件による研究です。すべての人や製品に同じ結果が当てはまるわけではなく、肌への働きを断定することはできません。

肌の乾燥やかゆみが続く場合はどうすればよいですか?

赤み、かゆみ、痛みが続く場合や、症状の範囲が広がっている場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、皮膚科などの医療機関へ相談してください。

まとめ|肌を守るのは、水分と脂質の両方

肌のうるおいを守るには、水分を補うことだけでなく、その水分を逃がさないためのバリア機能が大切です。

  • 湿度が高い季節でも、汗、摩擦、洗いすぎ、冷房などで肌は乾燥することがあります。
  • 角層の細胞間脂質や皮脂は、肌から水分が逃げすぎるのを防ぐ役割を担っています。
  • 外側からの保湿と、食事や睡眠など内側からのケアは、どちらも大切です。
  • オメガ3を含むクリルオイルと肌の関係を調べたヒト試験もあります。
  • 研究結果はまだ限られており、すべての人や製品に当てはまるものではありません。

梅雨から初夏は、肌を取り巻く環境が大きく変わる時期です。

べたつきだけに目を向けるのではなく、肌から水分が逃げないようにする「バリア機能」にも目を向けてみましょう

外側から肌を守りながら、食事や生活習慣を通して、体の内側からも材料を届ける。その積み重ねが、季節の変化に負けにくい肌づくりにつながります。

参考資料

  1. Handeland K, Wakeman M, Burri L. Krill oil supplementation improves transepidermal water loss, hydration and elasticity of the skin in healthy adults: Results from two randomized, double-blind, placebo-controlled, dose-finding pilot studies. Journal of Cosmetic Dermatology. 2024;23(12):4285-4294.
    PubMed掲載ページ
  2. DermNet. Skin barrier function.
    Skin barrier function
  3. American Academy of Dermatology Association. 12 summer skin problems you can prevent.
    12 summer skin problems you can prevent

※本記事は、肌や栄養、クリルオイルに関する一般的な情報および研究動向を紹介するものであり、特定の病気の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

※研究で使用されたクリルオイルと、市販されているすべてのクリルオイル製品の原料、成分量、品質が同一であるとは限りません。

※健康食品の利用中に体調の変化を感じた場合や、治療中、服薬中、妊娠・授乳中、食品アレルギーがある場合は、医師、薬剤師などの専門家にご相談ください。