2026/10/15

必要な医療をつなぐ。
頭が痛い。鼻水が止まらない。胃がもたれる。肩や腰が痛む――。 こうした身近な体調不良を感じたとき、皆さんはどのように対処していますか?
2027年3月からは、一部の「OTC類似薬」を保険診療で使用するときの負担の仕組みも変わります。 いま改めて考えたいのが、「自分でできる健康管理」と「必要な医療」をどう使い分けるかということです。
この記事でわかること
2027年3月、「OTC類似薬」の負担の仕組みが変わります
2027年3月1日から、薬局やドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品との 代替性が特に高い一部の医療用医薬品について、 保険診療で使用するときの新しい負担の仕組みが始まります。
対象には、鼻炎、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、風邪症状、 腰痛・肩こり、皮膚のかゆみや乾燥など、 私たちの生活にも身近な症状に使われる医薬品が含まれています。
※「すべてのOTC類似薬が一律に保険から外れる」という制度ではありません。 こども、がん・指定難病など一定の患者さん、入院患者、医師が長期使用等を医療上必要と判断した場合など、 別途負担の対象外となる場合があります。
これは「これからは病院へ行かず、市販薬を使いましょう」という話ではありません。
むしろ制度の変化をきっかけに、 「この症状は自分で対処できるのか」「専門家へ相談すべきなのか」 「医療機関を受診すべきなのか」を、一人ひとりが考える機会が増えていくともいえます。
セルフメディケーションは「病院へ行かないこと」ではありません
セルフメディケーションとは、 「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」 とされています。
自分の身体の状態に関心を持ち、日々の生活習慣を整える。 軽い不調であればOTC医薬品などを適切に活用する。 判断に迷うときには薬剤師や登録販売者などの専門家へ相談し、 症状が強い、長引く、普段とは違うと感じた場合には医療機関を受診する。
身近なOTC類似薬は、どのくらいの規模で処方されている?
では、OTC医薬品でも対応できる可能性のある成分は、 現在どのくらい医療用医薬品として使われているのでしょうか。
医療データサービス「SCUEL」が、第11回NDBオープンデータなどをもとに、 2025年12月時点の77成分案について薬価×年間処方数量で試算したところ、 医療用医薬品としての年間市場規模は次のようになっています。
約2,224億円/年
OTC類似薬77成分案の医療用処方規模(SCUEL参考推計)
剤形・処方場所別の構成比
(院外) 19.8%
(院内) 4.3%
特に大きいのが湿布・塗り薬・点眼薬などを含む外用薬で、 SCUELの推計では約1,654億円、全体の74.4%を占めます。
金額が大きい5成分を見ると、身近な薬が並びます
〈皮膚保湿など〉 517億円
〈抗アレルギー〉 419億円
〈解熱・鎮痛など〉 376億円
〈抗アレルギー〉 220億円
〈鎮痛・消炎〉 119億円
データを見る際の注意: 約2,224億円は「OTCへ切り替えれば削減できる医療費」ではありません。 SCUELが2025年12月時点の77成分案について、2024年4月~2025年3月の NDBオープンデータ等から算出した医療用処方の参考規模です。
2027年3月1日時点の対象医薬品は、厚生労働省が公表する77成分・1,042品目となります。
OTC類似薬には、鼻炎、痛み、胃腸の不調、皮膚症状など、 私たちが日常生活で経験する身近な症状に使われる成分が多く含まれています。
一人ひとりの選択が、社会全体の医療を支えることも
だからといって、 「病院へ行くと医療費がかかるから我慢しよう」 ということではありません。
必要な受診を控えれば、病気の発見や治療が遅れる可能性があります。
一方で、明らかに軽い症状でOTC医薬品による対応が可能なケースまで、 すべて医療機関が担う必要があるのかという視点もあります。
厚生労働省の検討会で紹介された研究では、 重症と考えられるケースなどを除いた「かぜ症候群」について、 OTC医薬品による対応へ置き換えた場合の潜在的な医療費適正化効果を 約560万件×約7,200円=年間約400億円と試算しています。
それでも社会全体で考えれば、 自分で対処できる軽い不調はセルフケアし、 必要な人が必要な医療を利用するという使い分けには、大きな意味があります。
でも、OTC医薬品を「たくさん買っておく」ことがセルフメディケーション?

家庭の薬箱に、こんな薬はありませんか?
「念のため」と買った風邪薬。
使わないまま残っている胃腸薬。
いつ購入したか分からなくなった湿布や塗り薬。
いざというときのために薬を備えることは大切です。 しかし、セルフメディケーションに必要なのは 「薬をたくさん持つこと」ではありません。
大切なのは、 必要なときに、必要な医薬品を適切に使える状態にしておくこと。
そこで改めて考えたいのが、日本で古くから続いてきた 「配置薬(置き薬)」という仕組みです。
「使った分だけ支払う」配置薬という仕組み
配置薬は、あらかじめ家庭や事業所に医薬品を備え、 実際に使用した分について後から代金を支払う 「先用後利」の仕組みです。

一般的な「買い置き」
- 必要になりそうな薬を購入する
- 購入時に代金を支払う
- 使用期限は自分で管理する
- 使わずに残る場合もある
配置薬なら
- あらかじめ身近に薬を備える
- 使用した分を中心に精算
- 訪問時に薬箱を確認・点検
- 不足分の補充や期限管理につなげる

配置薬では、 「備えている薬=すべて購入した薬」ではありません。
必要な薬を身近に備え、必要なときに使い、 使用状況を確認し、不足したものを補充する。
「薬をたくさん買っておく」のではなく、 「必要な薬を、必要なときに使える状態にしておく」。
これは、これからセルフメディケーションを考えるうえでも、 配置薬が持つ大きな役割のひとつではないでしょうか。
セルフメディケーションを、もっと身近に
必要なとき、身近に薬がある安心。
三洋薬品HBCの配置薬
商品内容を確認したい方、まずは資料で詳しく知りたい方、 配置薬の導入をお考えの方へ。 ご検討の段階に合わせてお選びください。
「買って、余らせる」から「備えて、必要な分だけ使う」へ
セルフメディケーションが広がっても、 各家庭が必要以上にOTC医薬品を買い込み、 使用しないまま期限切れにしてしまっては、 必ずしも望ましい状態とはいえません。
配置薬によって医薬品全体の廃棄量そのものが減ると 単純に断定することはできません。
しかし、
- 使うか分からない医薬品を必要以上に購入する
- 薬箱に入れたまま存在を忘れる
- 気づいたときには使用期限を過ぎている
といった、家庭や事業所における薬の持ち方を 見直すきっかけにはなります。
医療資源を適切に利用すること。 OTC医薬品を正しく使うこと。 そして、必要な薬を無理なく身近に備えること。
これらは別々の話ではなく、 「薬を必要なところへ、必要な分だけ届ける」 というひとつの考え方でつながっています。
「自分で守る」と「医療に頼る」の間をつなぐもの
配置薬は、医療機関の代わりになるものではありません。 OTC医薬品も、あらゆる病気を自分で治すためのものではありません。
しかし、
「少し頭が痛い」
「胃の調子が悪い」
「突然、鼻水が出てきた」
そんな日常の小さな不調に対して、 自分の身体の状態を確認し、適切に対処するための 「最初の一歩」を支えることはできます。
OTC医薬品、薬剤師・登録販売者、医療機関、そして配置薬。
それぞれを競合するものとしてではなく、 一人ひとりの健康を支えるひとつのつながり として考える。
2027年から薬を取り巻く制度が変わろうとしている今だからこそ、 「薬と健康の週間」をきっかけに、 ご家庭や職場の薬箱と、これからの医療との付き合い方を 見直してみてはいかがでしょうか。
※医薬品の種類や配置内容などをご確認になりたい場合は、 まず資料請求からご検討いただけます。
医薬品を使用する際には: 医薬品は使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って正しくお使いください。 症状や体質、年齢、服用中の医薬品などによって使用できる医薬品は異なります。 判断に迷う場合や症状が改善しない場合は、薬剤師・登録販売者または医療機関へご相談ください。
主な参考資料
- 厚生労働省「令和8年度『薬と健康の週間』の実施について」
- 厚生労働省「OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて (OTC類似薬の一部保険外療養)」
- 厚生労働省「セルフメディケーション推進のための有識者検討会」
- SCUEL「OTC類似薬の市場規模とメーカー影響ランキング(案)」 (第11回NDBオープンデータ等を用いた参考推計)





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