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9月9日は「救急の日」ー 緊急時に迷わないための行動ガイド

9月9日は「救急の日」ー 緊急時に迷わないための行動ガイド

2025/09/09

救急の日とは?

9月9日の「救急の日」とは、「救急医療及び救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めるとともに、救急医療関係者の意識の高揚を図ること」を目的として、全国で救急医療や救急業務の大切さを考える日として厚生労働省が制定しました。

総務省消防庁の統計によると、救急搬送件数は年々増加し、近年では年間およそ700万件を超えています。その一方で、入院を必要としない軽症での搬送も全体の半数近くを占めており、本当に重症な方の搬送が遅れるリスクが社会課題となっています。

軽傷による救急搬送増加の要因として、高齢者の熱中症や転倒事故、持病悪化などが背景としてあげられています。

こうした現状は、決して他人事ではありません。
もし家族や同僚が急病になったとき、自分がその場にいたらどう動けるでしょうか。

※軽症の中には早期に病院での治療が必要だった者や通院による治療が必要だった者も含みます。

傷病程度別の搬送人員と構成比の5年ごとの推移グラフ

救急車を呼ぶ?呼ばない? 迷ったら役立つ公的サービス

「救急車を呼ぶべきかどうか迷う」――そんなときに役立つツールが、総務省消防庁が提供する 「Q助(きゅーすけ)」 です。
スマートフォンやパソコンからアクセスでき、質問に答えていくと「救急車を呼ぶべきか」「病院を受診すべきか」を目安として教えてくれます。

ご利用のスマートフォンの機種に応じて、アプリをダウンロードできます。ウェブブラウザでも🔗こちらからご利用いただけます。

また、全国で順次拡大している 救急安心センター「#7119」 では、電話で医師や看護師等の専門家に相談でき、「救急車を呼ぶかどうか」「今すぐ受診が必要か」をアドバイスしてもらえます。

地域によっては利用できない場合がありますが、対応エリアでは非常に心強いサービスです。

AED(自動体外式除細動器)が必要になるケースとは?

救急車や医療機関に頼る前に、現場で命を守る手段として欠かせないのが AED(自動体外式除細動器) です。
突然の心停止は、心筋梗塞や不整脈だけでなく、日常の職場や家庭でも起こり得ます。
救急車が到着するまでの数分間に、周囲の人が胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDを使うことで、救命率が大きく高まることが分かっています。

AEDは商業施設や事業所、公共の場に広く設置されています。
🔗日本全国AEDマップ

「いざという時に使えるか不安…」という方も多いですが、実際の操作は音声ガイダンスに従うだけ。特別な訓練がなくても使用できます。

三洋薬品HBC従業員の救命講習参加時の様子(AEDの訓練を行っているところ)
弊社従業員が救命講習参加時のようす

事業所においては、労働安全衛生規則に基づき応急手当の教育や救急用品の備えが求められています。
もし職場にAEDが設置されている場合は、社員全員が「どこにあるか」「どう使うか」を知っておくことが大切です。

弊社の従業員もお客様のご訪問先や災害時などにそなえ、従業員の救命講習を実施しています。

【関連リンク】
~ 社員の救命講習参加を通じて、“いざ”というときの命を守る ~

救急車を呼ぶ前に、自分たちでできる“日常の備え”

もしもの備えに「配置薬」という選択肢

救急車やAEDが必要なほどの緊急事態はそう多くありません。
しかし実際の救急搬送の7割近くは 「急病」や「軽いケガ」 です。
「常備薬・救急箱があれば家や職場で対応できたかもしれない」――そんなケースも少なくありません。

配置薬サービスなら、

  • 常備薬の設置費用は不要

  • 使用した分だけのお支払い

  • 定期訪問で点検・補充もおまかせ

と、手間なく“救急の日常対応”が整います。
さらに、事業所では労働安全衛生規則に定められた救急用具の備え にも対応可能。
法令順守と社員の安心を同時に実現できます。

三洋薬品HBCの配置薬(置き薬)・常備薬のイメージ

防災の日特集:命と健康を守る「常備薬」の備え、職場でもご家庭でも万全ですか?

防災の日特集:命と健康を守る「常備薬」の備え、職場でもご家庭でも万全ですか?

2025/08/28

9月1日の防災の日が近づいてきました。
地震、台風、集中豪雨など、予測不能な自然災害は、いつ私たちの生活を脅かすかわかりません。
非常食や水、懐中電灯、持ち出し袋といった準備は多くの人が意識していますが、実はもう一つ、私たち自身の「命と健康」を守るために極めて重要な備えがあります。

それが、もしもの時に私たちの体調を支える「常備薬です。

ご家庭だけでなく、一日の多くの時間を過ごす職場での備えも非常に重要です。

この記事では、災害時における常備薬の必要性と、労働安全衛生の観点から事業者に求められる常備薬の設置義務についても触れながら、効果的な備蓄方法をご紹介します。

なぜ災害時に常備薬が必要なのか?

災害が発生すると、通常の医療体制は大きく混乱します。
病院が被災したり、交通網が寸断されたりして、医療機関へのアクセスが困難になることが想定されます。
また、避難所生活では、不慣れな環境、衛生状態の悪化、集団生活による感染リスクの増加など、体調を崩しやすい要素が多々あります。

災害の発生で起こるリスク~ 病院の被災・交通網の寸断・避難所の感染リスクにどう備える?

このような状況で常備薬が果たす役割は計り知れません。

持病の悪化防止

高血圧、糖尿病、心臓病、喘息など、継続的な服薬が必要な持病を持つ方にとって、薬が途切れることは命に関わります。災害時でも日頃と同じ治療を継続できるよう、十分な薬の備蓄が不可欠です。

体調不良への迅速な対応

避難生活のストレスや疲労から、頭痛、発熱、胃腸の不調などを訴える人が増えます。市販の解熱鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬などがあれば、症状の悪化を防ぎ、二次的な健康被害を最小限に抑えることができます。

怪我や傷の応急処置

災害時には、予期せぬ怪我も多発します。消毒薬、絆創膏、ガーゼ、包帯などがあれば、小さな傷でもすぐに手当てができ、感染症の予防にもつながります。

職場での備えも忘れずに:事業者の常備薬設置義務

ご家庭の備えと並行して、私たちが日中を過ごす職場での常備薬の備えも非常に重要です。実は、労働安全衛生の観点から、事業者は労働者の安全と健康を守るため、一定の義務を負っています。

労働安全衛生規則第605条では、「事業者は、負傷し、又は疾病にかかった労働者の応急手当をするため、必要な材料及び薬剤を常備し、その所在場所及び使用方法を周知させなければならない」と定められています。
これは、規模の大小にかかわらず、すべての事業所に適用されます。

設置場所を明確にし、従業員全員が知っている状態にすること、そして使用期限の管理も事業者の責任です。

災害時はもちろんのこと、日常的な職場の事故や急病時にも、これらの備えが従業員の命と健康を守ることに直結します。

✅常備薬リストを作ってみよう

いざという時のために、ご家庭と職場の両方で備えておきたい常備薬のリストをご紹介します。
以下のチェックリストを参考に、ご自身の状況や職場の特性に合わせてリストを作成・見直しましょう。

💊必須の薬(ご自身の状況に合わせて)

持病の薬

医師から処方されている薬は、最低でも3日~1週間分は多めに備蓄しておきましょう。
「お薬手帳」のコピーも忘れずに。

鎮痛・解熱剤

頭痛や発熱、生理痛などに備えて。

胃腸薬・お腹の薬

避難生活での食事の変化やストレスによる胃腸の不調に。
食中毒の疑いがあるときは、下し止めの使用は控えましょう。

風邪薬

のどの痛みや咳、鼻水に。

🩹あると安心な薬・アイテム

消毒薬・絆創膏・ガーゼ・包帯・テープ

擦り傷、切り傷、ねんざなどに

目薬・人口涙液

目に異物が入った時や乾燥対策に

アレルギー薬・鼻炎薬

アレルギー体質の方は、症状を抑える薬を。
(持病とあわせて、周囲の方にご自身のアレルギーを把握してもらうと安心です)

経口補水液

発汗がはげしくなる作業時や下痢、発熱などによる脱水症の予防に

体温計

体調管理、異常に早く気が付くために

ハサミ、ピンセット

応急処置に必要となる小物。

【お役立ちリンク】
🔗【防災特集】災害に事前に備える(政府広報オンライン)
医薬品以外にも備えておきたい備蓄用品や、いざという時の行動ガイドラインを分かりやすく説明しています。

🔗「医薬品の幼・小児の服用について」(東京都薬剤師会)
小さいお子様の服薬についてのQ&A集です。避難時などお医者さんへ相談できない状況に備えて、読んでおくとよいでしょう。

常備薬の備蓄のポイントと注意点

ただ薬を揃えるだけでなく、効果的な備蓄と管理にはいくつかのポイントがあります。これはご家庭でも職場でも共通して実践できることです。

1.「ローリングストック法」で管理する

日常的に使っている薬を少し多めに購入しておき、古いものから使って、使った分だけ買い足す方法です。
これにより、常に使用期限内の薬が手元にある状態を保てます。

2.使用期限を定期的に確認する

備蓄している薬の使用期限を月に一度は確認し、期限が切れる前に交換しましょう。
特に処方薬は、医師や薬剤師に相談しながら管理してください

3.アレルギーや持病を家族や職場で共有する

もしもの時に備え、家族全員、または職場内で(プライバシーに配慮しつつ)誰にどんなアレルギーや持病があるか、緊急連絡先などを把握しておくことが大切です。

4.常備薬リストと「お薬手帳」のコピーを非常用持ち出し袋に入れる

災害発生時に慌てないよう、すぐに持ち出せる場所にまとめて置いておきましょう。
職場では救急箱の場所を周知徹底しましょう。

5.湿気や直射日光を避けて保管する

薬は品質を保つため、適切な環境で保管することが重要です。

常備薬の備えは「命を守る備え」:配置薬で日々の安心を

ご家庭と職場の常備薬、きちんと管理できていますか?

ここまで、常備薬の重要性について解説してきましたが、「たくさんの薬を揃えて、使用期限を管理するのは大変そう…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。特に、忙しい日々の中で全ての薬を完璧に管理し続けるのは、容易なことではありませんよね。

そこで、手軽に、そして確実に常備薬の備えを充実させる方法として、【配置薬(置き薬)】の活用をご提案します。

配置薬は、専門の担当者が定期的にお客様宅や事業所を訪問し、必要な薬を補充・交換してくれるサービスです。使った分だけ支払うシステムなので、無駄がなく、常に新しい薬が手元にある状態を維持できます。

特に災害時においては、以下のようなメリットがあります。

  • 使用期限の管理不要:専門業者が管理してくれるため、ご自身で期限を気にする手間が省けます。

  • 必要な薬が常に手元に:常備薬を切らす心配がなく、もしもの時に慌てることなく対応できます。

  • 緊急時の相談相手:担当者に健康の相談ができるため、いざという時の心強い存在にもなります。

「自分で管理するのはちょっと不安」「もっと手軽に備えたい」とお考えの方は、ぜひ配置薬の導入をご検討ください。

「配置薬」で安心をプラス:手間なく常備薬を管理する賢い選択

防災対策は、特別なことではなく、日々の暮らしや仕事の安全を守るための継続的な取り組みです。9月1日の防災の日をきっかけに、ご家庭、そして職場の常備薬の備えを今一度見直してみませんか。

「自分で管理するのは難しい」「手軽にきちんと備えたい」とお考えなら、配置薬サービスがあなたの強い味方になります。
三洋薬品HBCの配置薬なら、常備薬セットが24時間無料レンタルお薬の在庫管理から期限の管理まですべてお任せいただけます。

かかりつけの置き薬屋さんがサポートしてくれる安心感を、ぜひ手に入れてください。
小さな備えが、いざという時のあなた自身と大切な人々、そして社会全体の大きな安心につながります。

【もう対策はお済ですか?】2025年6月1日施行:職場における熱中症対策の強化について

2025/06/01

従業員を熱中症から守る、職場・現場でできる対策をおさらい

厚生労働省では、例年事業所でおこる重篤な熱中症の発生を防ぐため、労働安全衛生法の改正を発表しました。

2017年(平成29年)まで、事業所における熱中症の死傷者数は600人を上回ることがなかったのですが、2018年(平成30年)には一気に倍近い1178名の死傷者数を記録、さらに2023年(令和5年)までは2021年(令和3年)をのぞき600名を下回ることがない、という状況が続いています。

こちらの記事では、厚生労働省発行の「熱中症ガイド」にもとづいて、従業員をどのように熱中症から守っていくか、対策をまとめていきたいとも思います。

記事の目次

  1. 労衛法改正「熱中症対策義務化」のポイント
  2. 事業者に求められる熱中症対策とは?
  3. 「暑熱順化」で熱中症に負けない体質に
  4. 体調管理チェックで熱中症を防ごう
  5. 万が一、熱中症とみられる症状が出てきたら…
  6. 関連記事

労衛法改正「熱中症対策義務化」のポイント

6月1日から義務付けられる職場における熱中症対策について、「具体的に何を取り組めばよいかわからない」という方も多いでしょう。こちらの章では、本改正の考え方やポイントをおさらいしてみます。

まずは、本改正内容の考え方です。
業務中に起こる熱中症の死傷災害の発生傾向には、「初期症状の放置・対策の遅れ」が見られます。この観点から、早急に求められる対策として、厚生労働省では以下を挙げています。

  1. 熱中症の自覚症状がある人や熱中症のおそれがある人を、早期に発見する
  2. 熱中症の自覚症状がある人や熱中症のおそれがある人に対する、重症化を防ぐための早期の判断・対処

上記について、各職場・現場で誰でも実施できるよう、ルールや手順マニュアルなどを作成し、関係者へ周知を徹底する、ことが主旨となっています。

熱中症の自覚症状や熱中症のおそれがある人の特徴は、厚生労働省発行の📎熱中症ガイドでわかりやすくまとめられていますので、ぜひ参考にしてみてください。

熱中症対策を怠ると労働安全衛生法22条違反として罰則「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が適用されるといいます。
また、厚生労働省の「コラボヘルスガイドライン」によれば、熱中症が原因となるプレゼンティーズム(出勤しているが体調不良で生産性が低下している状態)により、1人当たり年間約50万円にのぼると推定されています。これは医療費にかかる費用を大きく上回り、健康関連総コスト全体の約80%を占めています。

事業者に求められる熱中症対策とは?

では、具体的に事業所で講じるべき熱中症対策をおさらいしていきましょう。

WBGT値」とは、暑さ指数のことで、環境省「📎熱中症予防サイト」で毎日全国の暑さ指数の現況と予測を公開しています。暑さ指数が28を超えると厳重警戒として、炎天下を避け、室内では室温上昇に注意することが求められています。
暑さ指数は、気温(室温)だけでなく、湿度によっても変動するため、日々定期的にチェックすることが重要です。


もちろん労働作業や労働環境下で目安となる暑さ指数も変わってきます。以下は身体作業レベルに応じたWBGT値の目安です。

作業レベル 身体作業例 暑さに慣れている場合の基準値 暑さに慣れていない場合の基準値
0(安静) 座ってじっとしている状態 33 32
1(低代謝率) 室内でのデスクワーク 30 29
2(中程度代謝率)

くぎ打ちなどの腕と胴体、脚を用いる作業、草むしりや野菜の収穫作業など

28 26
3(高代謝率) ショベルやハンマーを用いる作業、重量物の運搬や機器を伴う作業など 26 23
4(極高代謝率) 激しい速度でシャベルや斧を振るう作業、走ったり階段を速く上る作業など 25 20

上記はあくまで目安となります。作業中に身に着ける着衣や作業環境(ビニールハウスや調理場など熱が溜まりやすい場所)、また高齢の方は暑さやのどの渇きに気が付きにくいという特徴もあるため、デジタル温度計や体温計などで客観的に熱中症のリスクが生じていないか、把握できるようにしましょう。

場や作業現場のWGBT指数(暑さ指数)が目安の基準値を上回ってしまう場合、どのような対策が必要でしょうか。

◆暑さ指数の低減対策

□冷房や除湿機、扇風機等を使用し、温度・湿度を適正にたもつ
□機器・機材等から発せられる熱を遮蔽できるようにする
□ファン付きの作業服や冷却ベスト等の装着

◆休憩場所の整備

□冷房を備えた休憩場所や、日陰等の涼しい休憩場所を設ける
□体が横になることのできる広さを確保する
□氷や冷たいおしぼり、水分および塩分やカルシウム等のミネラルをいつでも補給できるようにする

◆作業時間の管理

□連続作業時間の短縮化、定期的な休憩時間の確保
□日中など高温の時間帯に高負荷の作業をさける
□休憩時間以外にも、水分とミネラル補給をおこなう時間を決める

「暑熱順化」で熱中症に負けない体質に

熱中症予防の重要なキーワード「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは?

体が暑さに慣れていくことを、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。
あまり聞き慣れないことばですが、熱中症の予防にとって重要なキーワードとなります。

猛暑が急におとずれる「海の日」(7月の第3月曜日)に入ると、救急搬送者数が急増する傾向にあります。その主な原因は、体がまだ暑さに慣れておらず、急激な気温上昇に対して体温をうまく調整する機能(発汗や血流のコントロールなど)が十分に働いていないためです。

こうした事態を防ぐために有効なのが、意識的に行う「暑熱順化」です。

「暑熱順化」の基本は、「良い汗をかくこと」

ふだん気持ちのよい汗をかいていますか?

体の熱を外に逃すには、汗をかき(発汗)、汗の気化熱で体温を下げることが大切です。ですが、汗にも良い汗悪い汗があります。汗の良し悪しを決めるのは、汗にふくまれるミネラルの量です。

もともと汗は血液の血漿(けっしょう)という液体成分からつくられます。血漿が汗腺を通過する際に、血漿に含まれるミネラルはフィルターでろ過されて血液中に再度取り込まれ、水分のみ汗として外に出されます。

しかし、普段から汗をかいていないと、この汗腺フィルターが機能しにくくなり、ミネラルが汗とともに出てきてしまいます。ミネラルを多く含んだ汗は、皮膚表面で細菌に分解されやすくなり、においやべたつきの原因となります。
良い汗」は、サラサラしていてほとんど塩っぱくなく、乾くのも早いのですが、「悪い汗」はミネラルを多く含み、肌にべたつき、塩っぱさもあり、乾きづらい特徴があります。
乾きづらいということは、熱の放出(気化熱)がうまく働かず体温が下がりにくくなるので、その結果、
熱中症のリスクも高まりやすくなります。

良い汗をかいて、暑さに慣れましょう

汗腺は鍛えることができます。汗腺を鍛えるトレーニングは、暑熱順化にも共通するトレーニングにもなるため、ぜひ習慣として取り入れてみてください。

体調管理チェックで熱中症を防ごう

いくら熱中症の対策を万全にしたとはいえ、従業員個人のその日の体調によって、熱中症を防げないこともあります。
むしろ、積極的に従業員の体調を事前に定期チェックすることで、「休ませる」「無理をさせない」といった迅速な判断ができるようになります。

ここでは、就業前、就業中にチェックできる項目例をあげてみましょう。

就業前のチェック

自己申告では気が付けない場合もあるため、管理者、または従業員同士で点呼してチェックできるようにしてみましょう。




休憩時のチェック


  

なんとなくの水分補給を『習慣の水分補給』に

人によって、汗をかく量、暑さの感じ方、のどの渇きの感じ方はさまざまです。
本人はそんなに暑く感じていない、のどが渇いていないと感じていれば、水分を意識的に摂ろうとはしないものです。
ですが、ひたい以外でかく汗の量に気が付かず、いつの間にか脱水症、熱中症になる可能性もひそんでいます。

そうならないために、定期的に水分を摂る習慣をつけることが大切です。

就業時間以外でも、水分補給は習慣づける必要があります。
なかなか習慣として身に付けづらいと感じる方には、『汗をかく習慣』と『ミネラル+水分を補給する習慣』をセットでおこなうことをおすすめします。

くわしくはこちらの記事をどうぞ。
【参考記事】
「10年に1度の高温」⁉5月から始める熱中症対策~ 水分補給と行いたい〇〇をご紹介

熱中症予防には「正しい水分補給」を!

汗をかいたら、『水分と塩分の補給が大切』という情報を見聞きしたことがあるかもしれません。
ですが、塩分だけ一緒に補えればよいわけではありません。

そもそも、汗をかいたら水分と塩分を摂る、というのは体液に近いイオンバランス(体液濃度)を保つ目的もありますが、発汗によって失われるのは塩分だけではありません。

そのうちの1つがカルシウムです。1日でかく汗のなかには30~150㎎のカルシウムが含まれ、カルシウムの1日推奨摂取量750㎎に対して20%相当のカルシウムが、発汗によって失われる計算となります。

カルシウムは骨をつくる栄養素、という役割だけでなく、神経や筋肉のはたらきを左右するという役割もあります。むしろ、微量のカルシウムの減少で神経や筋肉へのはたらきに影響をおよぼすため、汗を多くかく猛暑の時期に深刻な影響をおよぼすこともあります。

カルシウムは骨をつくる栄養素、という役割だけでなく、神経や筋肉のはたらきを左右するという役割もあります。

むしろ、微量のカルシウムの減少で神経や筋肉へのはたらきに影響をおよぼすため、汗を多くかく猛暑の時期に深刻な影響をおよぼすこともあります。

【その兆候 カルシウム不足が原因かも⁉】



万が一、熱中症とみられる症状が出てきたら…

冒頭でも載せましたが、熱中症による死傷者を出さないためには、「熱中症の自覚症状がある人や熱中症のおそれがある人」早期に発見し、早期の判断・対処をとることが重要です。

最後は、厚生労働省発行「熱中症ガイド」より『熱中症の応急手当』パートのスライドをご紹介します。
※画像をクリックいただくと、『熱中症ガイド』のPDFダウンロードページへ遷移します。

職場や作業場で、ご従業員様が目に付く場所に貼るなどし、少しでも早く熱中症のうたがいに気が付けるよう、全員でお互いの命をまもる意識で、熱中症対策に臨みましょう。

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4月28日は「労働安全衛生世界デー」― 安心・安全な職場づくりの第一歩に、常備薬・救急箱の見直しを ―

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2025/04/28

4月28日は「労働安全衛生世界デー」です。この記念日は、2003年に国際労働機関(ILO)によって制定されました。その背景には、世界中で多くの労働災害や職業病が発生している現状がありました。働く人々の命と健康を守るため、安全で健康的な職場環境の整備が国際的に強く求められているのです。

日本国内でも、労働災害を未然に防ぎ、緊急時の対応を迅速に行うための取り組みが法律で義務づけられています。労働安全衛生規則 第633条では、事業者に対して「応急処置に必要な薬剤、器具等を備えた救急用具を作業場ごとに設けること」を義務づけています。つまり、救急箱や常備薬は法律上、設置が必要なものなのです。

【ご参考リンク】🔗職場における労働衛生基準が変わりました(厚生労働省)

欠勤は「見えない損失」。常備薬の設置が職場の生産性を守る

風邪や頭痛、腹痛といった軽度の体調不良でも、常備薬が手元にないために早退・欠勤せざるを得ないケースは少なくありません。こうした欠勤は、実は企業にとって大きな経済損失をもたらしています。

たとえば、独立行政法人の研究によれば、従業員1人あたりの病気による平均的な労働損失は年間12万円前後という試算もあり、社員数が多い企業では年間数百万円規模に膨らむこともあります(※出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「プレゼンティーズムによる損失額の試算」報告書(2021年))。

また、「体調不良でも無理に出社」するプレゼンティーズム(欠勤には至っていないが、健康問題が理由で生産性が低下している状態)も企業にとって深刻です。風邪薬や頭痛薬などの常備薬が職場にあれば、わざわざ外出することなく応急対応ができ、欠勤や生産性低下を防げる可能性が高まります。


職場に置き薬を。取りそろえる手間なく、導入も簡単

そこで注目されているのが、企業向けの置き薬(配置薬)サービスです。三洋薬品HBCの「職場向け配置薬サービス」では、以下のようなメリットがあります。

1⃣取りそろえる手間なし、すぐに使える安心セット

解熱鎮痛薬、風邪薬、胃腸薬、貼付薬、外傷用キットなどをセットでご用意し、無料で設置いたします。使用分のみのご精算なので、備えておくだけなら費用はゼロ。補充・交換・期限管理も専門スタッフが定期的に無償で対応します。

2⃣初期費用0円!無駄なく医薬品。救急品目が揃えられます

初期費用0円、契約期間の縛りもなしで、ご利用いただいたお薬の代金のみ、後からお支払いただくことができます。
配置薬(置き薬)なら使わなくても、新しい商品へ無償で交換可能なので、在庫管理の手間も不要、安心してご利用いただけます。

3⃣お買取りにも対応

ご希望に応じて薬箱内の全商品を一括購入することも可能です。事業所ごとの運用に応じた柔軟な運用が可能です。

この「労働安全衛生世界デー」をきっかけに、職場の常備薬や救急箱のあり方をぜひ見直してみてください。従業員の健康と、企業の生産性、双方を守る第一歩となります。

【合わせて読みたい】

✅~常備薬(置き薬)の準備ガイド~

✅~意外と知らない⁉ 置き薬のご利用の流れ~

~配置薬のよくあるご質問~

事業所の常備薬・救急箱でお困りの方はこちらからご相談を