
2026/04/22
健康診断で「LDLコレステロールがやや高め」と言われた人が、職場にいませんか?
本人は「まだ大丈夫」と気にしていない様子。でも実は、その状態こそ見過ごしてはいけないサインかもしれません。
コレステロールが多すぎる問題は、自覚症状がないまま血管がさび付いて動脈硬化が進行することです。
そしてある日、突然、心筋梗塞や脳梗塞といった形で現れるケースもあります。
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「少し高いだけ」が危険な理由や、見落としやすいポイントを
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- LDLコレステロールの本当のリスク
- 「少し高いだけ」が危険な理由
- 放置による仕事・健康への影響
- 改善のための具体的な行動
- 栄養素ベースでの対策ポイント
そもそも、LDLコレステロールってなに?
コレステロールとは、脂(あぶら)の一種を指します。
コレステロールは本来、細胞膜やホルモン、消化液(胆汁酸)の材料となります。
そのため、私たちが生きていくために欠かせない大切な成分なのです。
コレステロールは水に溶けないため、そのままでは細胞までたどり着きません。
そのため、コレステロールを血液内で運ぶ運搬トラックが必要です。
その運搬トラックが、LDL(低比重リポタンパク)という成分です。
また、余ったコレステロールを細胞から回収し、肝臓に戻す専用の回収トラックも必要です。
その回収トラックが、HDL(高比重リポタンパク)という成分です。
つまり、運搬トラックに乗せられたコレステロールをLDLコレステロール、
回収トラックに乗せられたコレステロールをHDLコレステロールと呼んでいるのです。

LDLコレステロールが増えすぎると、血管の壁に蓄積し、動脈硬化を進める原因になります。
また、HDLコレステロールが少ないと、中性脂肪という内臓につきやすい脂肪が増える原因となります。
LDLとHDLのバランスが崩れると、血管に脂質がたまりやすくなります。

「少し高いだけ」が危険な理由
LDLコレステロールは、高くなっても痛みや不調がほとんどありません。
そのため、多くの人が「様子見」を選びがちです。
・「少し高いだけ」と言われ放置
・忙しくて再検査を後回し
・生活改善が続かない
しかし実際には、数値が上がるほどリスクは段階的に増えていきます。
「軽度の異常」が長く続くこと自体が問題です。
さらに見逃せないのは、健康診断の紙面に出ている数字以上に、血管の中で何が起きているかです。
特に中性脂肪が高い状態が続くと、LDLコレステロールは通常よりも小さく、血管壁に入り込みやすい 「小型化LDL(超悪玉)」へと変化しやすくなります。
」は診断数値では現れないリスクをはらむ.avif)
この小型化LDLは、通常のLDLよりも酸化されやすく、血管の内側で炎症を起こしやすいとされます。
その結果、血管壁にプラーク(粥腫)ができやすくなり、動脈硬化をより強く進める方向に働きます。
つまり、「LDLはやや高め」くらいに見えても、中性脂肪が高い人では見た目以上に危険性が高いことがあります。
- LDLコレステロール値がやや高い
- 中性脂肪も高い
- HDLコレステロール値(善玉)が低め
この組み合わせは、「悪玉が増えやすい」うえに「掃除役が足りない」状態です。
また、LDLだけを見て安心できない理由として、non-HDLコレステロールの存在もあります。
non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLを引いた値で、LDLだけでなくVLDLやレムナントなどを含めた “すべての悪玉の総量”を表します。
健康診断でLDLがそれほど高くなくても、non-HDLが高い場合は、隠れた悪玉が多い可能性があります。
つまり、「少し高いだけ」に見える数字の裏で、血管への負担が静かに進んでいるケースがあるのです。
判定指標 non-HDLコレステロール
170 mg/dL以上
150〜169 mg/dL
※non-HDLは「総コレステロール - HDL」で算出される、悪玉すべての総量です。
だからこそ、LDLコレステロールは単独で見るのではなく、中性脂肪やHDL、可能であればnon-HDLも含めて立体的に読むことが大切です。
※ 健康診断の脂質項目の見方を公的な解説で確認したい方は、
日本動脈硬化学会「健康診断で異常を言われたら?」
も参考になります。
LDL・HDL・中性脂肪の見方や、生活改善・受診の考え方が一般向けに整理されています。

コレステロール値に関する3つの間違い・よくある誤解
① 少し高いくらいなら問題ない
→ 実際にはリスクは連続的に上がります。境界域でも油断はできません。
数字が軽度でも、放置期間が長いほど血管の負担は積み重なっていきます。
② 食事を少し気をつければ改善できる
→ コレステロールの多くは体内で作られるため、食事だけでは不十分なケースもあります。
特にLDLは「何となく減らす」だけでは動きにくく、飽和脂肪酸の見直しや継続的な対策が必要です。
③ 年齢が高いほど数値は高めでよい
→ 年齢に関係なく、LDLが高いほどリスクは上昇します。
「年齢のせいだから仕方ない」と片づけず、他のリスク因子も含めて見ていくことが大切です。

高いコレステロール値の放置が、パフォーマンスを下げる!?
コレステロール値の異常は、将来の病気だけでなく、日常のパフォーマンスにも影響します。
欠勤するほどではないのに、だるさや集中力低下によって本来の力が発揮できていない状態は、プレゼンティーズムと呼ばれます。実は、企業にとって「従業員の欠勤(アブセンティーズム)」による損失よりも、この「出勤しているが、本来の力が発揮できていない損失」の方が約3倍も大きいという研究結果が出ています。

脂質異常症は「今日休む理由」にはなりにくい一方で、今日の仕事のキレを鈍らせる原因にはなりえます。
総務・健康経営の視点では、医療費だけでなく、この“見えにくい生産性低下”まで含めて考えることが重要です。
- 慢性的な疲労感
- 集中力の低下
- 午後のパフォーマンス低下
- 判断力の鈍化
つまりこれは「将来の病気」だけではなく、今の仕事の質にも影響する問題です。
改善のポイント①:LDLコレステロールを下げるための生活習慣(食事・運動)
- 動物性脂肪の摂りすぎを控える
- 揚げ物・加工食品を減らす
- 週150分以上の軽い運動を意識する
- 禁煙・節酒
重要なのは、一時的ではなく継続することです。
特に、悪玉(LDL)対策は食事の見直しが中心ですが、善玉(HDL)を増やしたい場合は運動の効果が大きいとされています。
おすすめは、ウォーキングなどの有酸素運動を少し汗ばむ程度の強さで行うことです。
1日30分が目安ですが、10分ずつ朝・昼・夕に分けても構いません。まずは週3日からでも十分、始める価値があります。
※ LDLコレステロールが高いときの食事の考え方は、
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?」
でも紹介されています。
飽和脂肪酸やコレステロールの摂り方を見直す際の参考になります。

改善のポイント②:栄養素でのアプローチ
LDLコレステロールの改善には、特定の栄養素の摂取も有効です。
| 栄養素 | 働き |
|---|




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